あるはみ出し者(ジョーカー)達の日常verソウサク 1-5話

第一の怪談。

『サカキさん』

もう、二十年以上も昔の事。
この学校に長年勤めていた、用務員のサカキさんの息子と娘が事故で亡くなった。
その事故は凄惨を極め、まだ高校生だった息子と娘の全身はグチャグチャに潰れて、無事だったのは首から上だけだったらしい。
それを知ったサカキさんは精神を病んで、徐々におかしくなっていった。
息子と娘を嫌でも思い出してしまう、高校の用務員という職も精神の病みに一役買ったらしい。
そして事故のしばらく後、サカキさんは黒魔術に傾倒した。
息子と娘を生き返らせる希望を黒魔術に求めた。
この時、既にサカキさんの精神状態は擦り切れて、崩壊寸前だったらしい。
……或いは、既に発狂していたのかもしれない。
ともかく、サカキさんは黒魔術の中に息子と娘を生き返らせる手段を見つけた。
……見つけて、しまった。
その方法とは、息子と娘、それぞれ同年代の男女五名の死体を築き、その魂を生贄に捧げよというもの。
そして一人の死体から、右腕、左腕、胴体、右脚、左脚のどれかを切り取り、首だけとなった息子と娘に繋げて身体を完成させよ、というものだった。
それを識ったサカキさんは、三人の男子生徒と二人の女子生徒を殺して五体の一部や胴体を切り取って、息子と娘に繋げたらしく……その後、警察に銃で撃たれて死んでしまったらしい。
殺された男子生徒達の遺体は、それぞれ左腕、胴体、左脚がなく、女子生徒達の遺体は、それぞれ右腕と胴体がなかったという。
その失われた遺体の一部は、未だに見つかっていない。
この怪談を知ると、全ての怪談のトリガーとなってしまう。

第二の怪談。

『サカキさんの呪い』

……これは第一の怪談と連なる怪談で『ある儀式』を行うと、このサカキさんが現世に現れ、願った相手を殺してくれるらしい。
その儀式は五日間続けて、深夜にコックリさんと似た方法をとるという。
儀式を実行するには、男女混じった高校生四人が必要で、それぞれが右腕や胴体などの役割(つまりは生贄)と成って、サカキさんを誘い出すらしい。
ただ、成りきる役割は既にサカキさんが集めた男子の左腕か胴体か左脚、女子は右腕か胴体だ。
そうじゃないと儀式を実行した人間達も、まだサカキさんの集めていない五体の一部を『奪われて死ぬ』という。
で、その儀式を実行するには、実行する四人の血液と、呪う相手の身体の一部を混ぜ合わせた赤インク……それを使用した万年筆と四本のロウソク、そしてコックリさんの五十音が書かれた紙に、サカキさんが傾倒した黒魔術の魔法陣が必要で、深夜に学校へ集まり『サカキさん』に語りかけた後、呪って欲しい相手の名前を五十音の紙に綴るという。
それを深夜の同じ時間、同じ教室で五日間繰り返せば、呪った対象は、サカキさんがまだ集めていない五体の一部を無残に切り取られ、殺されてしまうという。
また、呪われている者はその前兆として、五体の一部にサカキさんの刻印が刻まれる。
そして、途中で儀式に失敗すると――……

第三の怪談。

『殺された子供達』

サカキさんが殺した高校生達は、全員がこの学校の生徒だった。
おそらく、用務員として長年勤めた経験を活かしてのものだと考えられた。
そして、驚くべき事に全員が学校内で殺されたらしい。
その全員が、部活などで学校に遅くまで残っている生徒だった。
だから、殺された生徒達の怨念がこの土地に縛られて亡霊となり、奪われた身体の一部を探し求めて深夜の学校内を徘徊しているという。
この亡霊に見つかった者は、亡霊の抱える深い怒りと妬みの念から、奪われた身体の一部と同じ箇所を力任せに引き千切られるという。

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