あるはみ出し者(ジョーカー)達の日常verソウサク 1-7話

「……ん~。なるほどね。確かに、第二の怪談と一致しているね」

全てを聞き終えて、情報を頭の中で整理しながら口を開く。
サカキさんの刻印、というのがおそらく葵の左足首に残った手形の痣なのだろう。

「それで、葵、悠。二人の事だから、色々と調べたんでしょ? 葵を呪っているやつらとかさ」

言ってて、心が暗く沈み込むのを感じた。
……もし。
これが。
葵の痣の原因だとしたら――絶対に、許さないぞ。
全てが終わった後に、相応の報いを与えてやる。
にこやかな笑顔を浮かべたつもりだったけど、意志に反して暗い微笑となっていたのか、悠がたじろいだように小さく呻いた。
……う~ん。
もうちょっと、感情を内に隠せるようにならないとなぁ……。
――反省。

「ごめん、悠。でも、僕は冷静だからさ。話してよ」

「……まあ、その調子ならギリギリで大丈夫そうだな。……いいか? 落ち着いて聞けよ? 呪いの儀式をしているのは、江藤敬吾、高槻晶、宮月美弥、七瀬愛梨、俺達と同学年の男女四人だ。第一の怪談を葵の耳に入れてトリガーとしたのも、七瀬の手回しらしい」

ふと葵を見ると、小さく頷いていた。

「あぁ。あの四人か。僕と葵と同じクラスだよ」

四人の顔を頭の中で思い浮かべる。
確か、江藤君と高槻君は、葵に告白して振られてたっけ。
高圧的に告白してたらしいから、毒舌混じりで相当、こっ酷く振ったって一時期、噂になってたなぁ……。
自業自得とはいえ、少し哀れではあったけど。
同情の余地はもうないかな。
七瀬さんとは、結構長い付き合いだけど……前から表立って葵を嫌ってたし、ジワジワ溜まりに溜まった鬱屈した鬱憤が、臨界点を越えたってところかな?
おそらく、実際に怪談を信じてはいないと思うけど、憂さ晴らしに参加したってところか……。
葵が気に食わないのなら、正々堂々とまでは言わないけど、ちゃんとぶつかればいいのに。
……少し、勿体ないな。
宮月さんは……よく解らないな。
教室では、気弱そうだったし……人数合わせに強制参加させられたのかな?
だったら、ちょっと可哀想だなぁ……。
七瀬さん達の逆恨みに巻き込まれたって事になるし。
ある意味、被害者だ。
被害者だったら、ちゃんと救わないと。

「……う~ん? 私はその四人の事をよく知らないんだが、どういう動機だったんだ?」

「男子二人は葵に告白して振られた逆恨み。七瀬と葵は、小、中、高と同じ学校でな……以前から葵を敵視していたようだし、行き場のないソレが暴発したと思われる。……まあこれも逆恨みだな。宮月だけは少し事情が違って、生来の気弱な性格が災いして、人数合わせに巻き込まれたんだ」

燈花の疑問に、悠が僕の想像通りの答えを述べた。

「取りあえず――現実に被害が出てて、内容が怪談と一致している以上、このまま放置はありえないよね」

確認するように言う僕に、悠が苦虫を噛み潰したように、そして葵が逡巡したように目を瞬かせた。

「? どうしたの?」

二人の様子に首を捻り、そのまま疑問をぶつけてみると、ほんの少し躊躇ったような様子を見せた後……悠が一言、小さく呟いた。

「……ないんだ」

「? ないって、何がさ?」

悠の言葉にやっぱり首を捻る。
横を見ると、燈花も不思議そうに小首を傾げていた。

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