あるはみ出し者(ジョーカー)達の日常verソウサク 1-8話

「過去、二十年以上に遡って調べたけれど……。サカキさん、それにサカキさんに殺された高校生達、そして自殺に導いた保健医や自殺した生徒達……そんな事実は存在しなかったのよ」

葵も戸惑ったような落ち着かない眼差しで、僕の疑問に答えた。

「異次元の階段や、鏡の怪談が創作だというのは解る。だが、ある程度の具体的な年数や、葵に実害が出てる以上、サカキさんは実話か、最低でもそれに類する逸話だと思っていた」

ほんの少し言葉を濁して、悠は続けた。

「しかし、うちの学校どころか、全国の学校ですら、そんな事実も類話も存在しなかった。……これが柚季や燈花に相談するのを躊躇った理由の一つでもある」

意識したように淡々と言い終え、悠は僕と燈花の反応を待つように口を閉ざした。
なんとなく燈花と二人、顔を見合わせる。
燈花は神妙そうに聞いていた顔を微かに綻ばせた。
そんな燈花の顔を見て、僕もほんの少しだけ強ばっていた心が綻ぶ。
そして僕達は口を揃えて、異口同音に叫んだ。

「「関係ないさ(よ)っ!」」

間違ってたら間違ってたで、その時に他の線を考えればいい。
今はただ『葵を呪っているやつらが居る』という事実。
そして葵の痣は、そいつらのせいかもしれないという事。
その二つだけで、僕達が動くには充分だ。

「……まっ、そう言うと思ったがな」

苦笑混じりに悠が呟いた。

「儀式が行われるのは、深夜二時に去年、柚季と燈花が通っていた教室よ。調べた限りでは、少なくとも昨日はそうだった……呪いの儀式は時間と場所の縛りがあるから、今日も同じと考えていいわ。彼らに灸を据えたいのなら、下校時間を待って一度帰宅して……彼らに見つからないよう注意して、一時四十五分に校門へ再集合でいいでしょう」

葵が話を纏めるように僕達を見回す。

「了解!」

「解ったぞ!」

「まあ、妥当だな……」

僕、燈花、悠が三者三様に頷いた。
その後、悠が思い出したように付け加える。

「そうそう、呪いの儀式だけどな……。今日が、五日目だそうだ。やっぱり呪いなんて存在しないだろうが、現象は一致してるし、億に一つという事もある。――阻止するぞ」

悠が決意の宿った瞳で僕達に目をやり、重々しく宣言した。
……言われるまでもないよ。
悠にとって葵は大切な妹だけど、僕や燈花にとっても心許せる大切な親友なんだ。

――僕の親友に手を出した事を、骨の髄まで後悔させてやる。

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