
あるはみ出し者(ジョーカー)達の日常verソウサク 7-2話
心臓をギュッと締め付けるような不安が黒々と成長して鎌首をもたげ、宮月美弥を襲った。 宮月美弥は窒息してしまいそうな重苦しい緊張に、もう声も...
naoが制作したオリジナル作品を掲載しています
心臓をギュッと締め付けるような不安が黒々と成長して鎌首をもたげ、宮月美弥を襲った。 宮月美弥は窒息してしまいそうな重苦しい緊張に、もう声も...
宮月美弥はトイレの個室で用を足しながら、ぼんやりと考えていた。 ……はぁ、と小さく溜め息を吐く。 どうして、こんな妙な事になってしまった...
SIDE:七瀬愛梨 一人称視点 私は焦っていた。 スマホが繋がらないなんて、有り得ないッ。 少なくとも、学校内で繋がらなくな...
「…………はっ?」 小さな驚愕が、七瀬愛梨の口を突いて漏れ出した。 焦ったように、スマホを操作していく。 繋がらない、繋がらない、...
「アンタ達はどうするの? 隣に男子トイレもあるけど?」 トイレの前に着き、七瀬愛梨は高槻晶と江藤敬吾に視線を向けて問い掛けた。 ...
「なんで、開かねぇんだよッ!?」 「ちょっと、何やってんのッ!?」 ガンッ、と昇降口の扉を乱暴に殴りつける江藤敬吾。 七瀬愛梨...
バカげている。 先ほどよりも強く、頭をブンブンと振って意識にこびり付いた暗い妄想を引き剥がす。 怪談なんて現象は、現実には起こりえない。...
ふと、思う。 どうしてあの四人は、呪いの儀式を邪魔したのだろうか? 少なくとも。 そう、少なくとも凍川葵は無駄な事を一切しない。 呪...
七瀬愛梨は激しく苛立ちながら、深夜の廊下を早足に歩いていた。 後ろからは、三つの足音が慌てたように付いてくる。 その足音を意識の片隅で聞...
「いいわ。行かせななさい、柚季」 葵が突き放すように言った。 「……ッ! でも、葵!」 「私達も、そして貴方達も、この時間...
いっそ暴力的なほど、まるで狂気に憑かれたかのように四人の身体が振り回され続け――唐突に、ガリガリと言う音が止んで「ボギリッ!」と、硬質な音...
「こんな五日間もかけるようなバカな儀式を、本気でやってると校内に知れ渡ったらどうなるだろうな? それとも、本気で俺達を敵に回してみるか? き...
「な、なんだ、てめぇらッ!?」 「ははっ、なんだはないでしょっ? こんな夜中に、呪いの儀式なんてやっておいてさ。その質問、そっくりその...
そうして僕達は一度帰宅後、時が過ぎるのを待って夜中の一時四十五分に校門へと再集合していた。 見回りの警備員さんや、来ている筈の七瀬さん達が...
「過去、二十年以上に遡って調べたけれど……。サカキさん、それにサカキさんに殺された高校生達、そして自殺に導いた保健医や自殺した生徒達……そん...
「……ん~。なるほどね。確かに、第二の怪談と一致しているね」 全てを聞き終えて、情報を頭の中で整理しながら口を開く。 サカキさんの刻...
第四の怪談。 『鏡の怪談』 夜中の学校の鏡は鏡面世界へ繋がっている。 鏡面世界に映る自分は、現実世界に出てきたくて、夜中の鏡の...
第一の怪談。 『サカキさん』 もう、二十年以上も昔の事。 この学校に長年勤めていた、用務員のサカキさんの息子と娘が事故で亡くな...
「葵っ! 大丈夫なのかっ!?」 今度こそ燈花が椅子を蹴倒して、葵の下へ素早く駆け寄った。 ふるふると小刻みに震える身体が、葵を心配だ...
このジョーカー部のあざな通りにな、と小さく苦笑する悠。 ジョーカー部。 それは、学園の問題児ばかりを集めた、隔離病棟な部活。 問題児は...